ざ、飯屋
東京時代、晩年の住処だったバーが9月末を持って閉店してしまった。前にも住処と言えるバーが有ったのだが、客筋と雰囲気はこっちの方が好きだったのでダメージは結構デカイ。
傷心気味に仕事を終え、夜ご飯をどこで食べるか思案していると帰り道に定食屋が出来ているのを見つけた。
腹は減っていたが、つかさず入店とはならなかった。店の出で立ちに少々違和感を感じる。
オープンしてそれほど経っていない。にも関わらず、見かけが築40年は過ぎているであろう、くたびれた暖簾と建物だったからである。
しかもメニューには揚げ物が8割。
しかも古い家の玄関扉。
味の方は完全に博打であると言いたいがもう答えが外観に出ている気がしてそこで1分ほど考えてしまった。
ま、1食ぐらいなら...(ガラガラガタッ)
入ってみると思ったより店内は小綺麗で少々歳をとった高梨沙羅のようなアジア人女性が「いらっしゃいませ〜」と声をかけてきた。アイシャドウがスゲェ。
テーブル席に着いて店内を見渡すとお婆さん2人組の先客、そして厨房には板前とみられる初老の男性が野菜を切っていた。
とりあえず定食を頼み、携帯を弄りながら待っていると先客お婆さん2人組の話が聞こえてきた。
テーブルには刺身と栃尾揚げ、キンミヤのボトルが置かれていて、どうやら出来上がっているようだった。
「ほんとうになぁ、私たちは教育を間違えたのかね!「いやぁ、我慢が足りないのよ!わたしらの頃はあーだこーだ」
どうやらありがちな昔話と井戸端会議らしい。
そう思ってるとお婆さんの1人がこう言った。
「オレの時代はそうなんよ!」
一人称オレ!?
確かに使う人いるけどかなりレアじゃないか笑
漫☆画太郎のババアくらいやぞ!?
1人で脳内ツッコミしているうちに定食(トンカツ、煮物、味噌汁)が運ばれてきた。結論からいうとそこそこ美味しかったがこの婆さんの会話(特に一人称)が気になってあんまり覚えていないのであった。
「オレの時代はまぁー虐められたよ!」
「ほんとほんと!ウチもそうだった!」
「今そのお義母さんどうしてるの?」
「死んで居らんに決まってるやん!」
「「ヒェッヒェッ!!アッヒャッヒャ!」」
こわい笑